◆七十八難曰.
知爲鍼者.信其左.
不知爲鍼者.信其右.
突然出てくるこのフレーズ、最近まで何のことを言っているのかよくわからなかった。
また、鍼灸学校時代、左手の押手が大切とはよく聞かされていた。
だけど、このことを具体性をもって教えてもらった覚えはない。
最近、師匠の講義で気づかされたことがある。(教えてもらったに近いか?)
押手は皮膚を押すのだということ。刺手は刺すんだけど、やりすぎちゃいかんということ。
日本伝統の鍼の弾入から刺入にいたる過程で、痛みがないほうがいいことは周知のことだ。
押手と刺手の双手による刺入と抜鍼は、患者に不快感を与えないという目的にかなっている。
しかし、右手の刺手の操作を強調しすぎると不快感を与える場合が多いという事実は、多くの鍼師が試行錯誤の中で発見するはずだ。
敏感な患者ほど、押手をしっかり使って不快な思いをさせないように努力すべきだろう。
押手の上下圧を強くして、その戻りで鍼を進めるようにして、刺手はその位置をキープするぐらいの気持ちでいると、敏感な人にも過敏痛を与えるリスクが減るのです。
まさに「刺手がましい」は不愉快ってことです。